受講生がよく間違える箇所(2級商業簿記仕訳問題)

 

修了確認テストや直前模擬試験の添削を行っていて、受講生がよく間違える箇所をピックアップしてみました。

掲載文は、実際に添削を行った文面(若干、修正しています)となっています。掲載文中の数値は、海生ゼミで行った問題の数値です。

 

仕訳問題(1)

仕訳問題から、間違える箇所について、添削した内容をピックアップしてみます。

 

銀行勘定調整表について

自己受為替手形の処理

裏書譲渡について

未着品売上

委託買付

受託販売

有価証券の売却

償却原価法

有価証券の評価

消費税の仕組みについて

建設仮勘定について

未決算について

除却について

剰余金処分における利益準備金の積立金額の算定

 

 

 

 

 

 

 

銀行勘定調整表について

※買掛金支払いのための未渡しは買掛金の減少です。

 

※備品購入のための小切手の未渡しは、支払う義務があるにも関わらず支払っていないこととなりますから、未払金となります。

 

※掛代金の場合は、もともと、買掛金で仕入のときに処理していますので、買掛金の減額処理を元に戻します。

 

※広告宣伝費の小切手の支払いが相手に未渡しであるということは、請求書が来ていますので、公告宣伝費は費用として計上し、その代金が未払いとなります。したがって、(貸方)は広告宣伝費ではなく未払金となります。

 

※小切手の未渡し、つまり支払っていたと思ったが実は支払っていなかったという取引です。

 

 

自己受為替手形の処理

※当社を受取人としますので、受取手形になります。つまり、自己受為替手形のケースです。

 

 

裏書譲渡について

※裏書譲渡されたという文言により、裏書手形を仕訳で使用したと思いますが、裏書手形は、持っている手形を第三者に裏書譲渡する場合に使用します。

この取引は、ただ単に、裏書譲渡を受け、手形を受け取ったわけですから、受取手形の増加になります。

 

 

未着品売上

※売上でも間違いではありませんが、本試験では、未着品売上という勘定が指定されるはずです。もし、その指定がなければ売上でOKです。

 

※荷為替ですが、80%の荷為替を取り組んだということは、残り20%は掛での販売を意味します。ですから、80%1040000のうち、5700円を差し引かれた残高1034300が当座預金となります。1300000の取引を2つに分けて考えてみると理解がしやすいかもしれません。

1040000について、5700を差引いて割り引いてもらい、残りは掛販売といった感じです。

 

 

委託買付

※委託買付の場合、@委託買付勘定1本で処理する方法とA委託買付勘定を使わず、買掛金、前払金を使う方法があります。

@(借方)仕入578200 (貸方)委託買付578200

A(借方)仕入578200 (貸方)前払金60000

             買掛金512800

 

(貸方)を前払金とするならば、委託買付勘定ではなく、買掛金となります。

512800を委託買付勘定を使うならば、手付けとして支払った60000は、(借方)委託買付60000(貸方)現金預金60000として処理しているはずですから、(貸方)は前払金ではなく、委託買付になります。

 

前払金勘定を使っている場合は、委託買付ではなく買掛金となります。

 委託買付勘定を使うと、前払金や買掛金という勘定は使用しません。

 

 

受託販売

※受託販売側は、委託者に代わって業務を遂行する立場にあるだけで、商品を受取ってもそれはあくまでも委託者の商品(貨物引換証も同様)であり、商品関係の仕訳はしません。

単純に、支払手形が90000、そしてその金額を委託者に請求できる権利を表す勘定として受託販売を使います。

 

※受託販売者は、委託者から商品を預るだけで仕入にはなりません。

 

 

有価証券の売却

※有価証券の売却の取引は2つに分けて考えたほうが理解はしやすいです。

@97.60で購入した社債を@98.8で売却する取引と、端数利息の取引の2つに分けます。

まず、売却益ですが、@98.8-@97.6=@1.2、つまり1口当たり1.2円の儲けとなります。総額が2,000,000ですから、2,000,000÷100=20,000口の社債を買ったことになります。ですから、売却益は、@1.2×20,000=24,000となります。

次に端数利息です。これは、2,000,000×5%×146/365=40,000となります。

 

 

償却原価法

※未収有価証券利息の計上のほかに、償却原価法の処理が必要となります。(講義 第5)

16.4.1 94円で購入。18.9.30 満期日 100円。

差額6円を月割計算(16.4.1-18.9.3030ヶ月間)します。

当期は16.4.1-16.12.31 9ヶ月間となっています。

6円÷30ヶ月=0.2 つまり、1ヶ月に0.2円ずつ94円に加算していく処理が償却原価方です。

0.2×9ヶ月=1.8  1.8×10000=18000

(借方)満期保有目的債券18000 (貸方)有価証券利息18000

 

 

有価証券の評価

1回目@560  2回目@550  この段階で期末→ @500に評価替

当期首に洗替え、つまり、評価替えがなかったと考えます。

結局、1回目@560 10000株、2回目@550 7000株、3回目@500 8000株の取得の後、15000株を売却したことになります。

それを移動平均法で計算します。

この場合、結局、3回分の平均となります。

(@560×10000+ @550×7000+ @500×8000)÷25000= @538

@538×15000=8070000

 

 

消費税の仕組みについて

※税込方式ですと、売上も仕入も消費税込みで処理されます。たとえば、税抜き売上200円、税抜き費用100円とします。税抜き計算では、利益は200円−100=100円になります。これに対して、税込み計算では売上210円−費用105=105円が利益になります。両者で5円だけ違っています。どちらが利益として正しいかといえば、100円です。ですから、税込み計算の場合、預った消費税10円と支払った消費税5円の差額を納税することになりますから、(貸方)は未払消費税でいいです。

しかし、(借方)は、租税公課、つまり費用になります。そうしますと、先ほど、税込みで計算した利益105円からこの5円が差し引かれて100円になります。

 

 

建設仮勘定について

※仮払金ではなく、建設仮勘定です。よく出ますので、間違えないようにしましょう。

 

 

未決算について

※建物及び減価償却累計額の処理は、未決算で処理する段階で行います。

(借方)減価償却累計額2865000 (貸方)建物10000000

    未決算7135000

 

 

除却について

処分価額は、貯蔵品で処理します

 

 

剰余金処分における利益準備金の積立金額の算定

※まず、利益準備金の積み立ては、配当金の1/10以上を資本準備金と利益準備金の合計が資本金の1/4になるまで行います。

配当金は1600000。資本金の1/420000000÷4=5000000

現在の資本準備金と利益準備金の合計が4900000。つまりあと100000しか利益準備金の設定ができません。

したがって、160000ではなく100000になります。

 

 

 

 

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